2007年8月6日月曜日

学校給食廃油、バイオ燃料用に販売へ…札幌市

天ぷら油などの廃油を利用したバイオディーゼル燃料(BDF)需要の高まりを受け、札幌市教育委員会は、小中学校などの給食調理に使った廃油を業者に販売することを決めた。8月下旬に入札を実施する。産業廃棄物として費用をかけて処分していた廃油が“金の卵”になるかもしれないと、関係者は期待している。
 BDFは、使用済みの食用油を精製してつくる燃料。硫黄酸化物(SOx)の排出を抑えられ、資源の有効活用にもつながるクリーンエネルギーとして、乗用車の軽油代わりに使われている。
 市教委はこれまで、市内の小中学校や定時制高校193校の給食で1年間に使われた廃油約50万リットルを産廃として業者に処分を委託、約800万円を支払ってきた。
 しかしBDFの利用が広がり出した昨年度初めごろから、市教委に「ぜひ引き取りたい」と申し出が寄せられるようになった。要望を受け、市教委は夏休み明けの8月下旬から廃油約20万リットルを入札で売却することにした。現在、8業者が興味を示しているという。
 市内の給食は菜種油を使っており、精製する時に粘りを抑えられる「BDF向き」のものだったことも幸いした。入札を予定している業者は「給食の油は新しいものに交換する回数も多く良質。給食配送車の燃料として使いたい」と、廃油の商品価値を強調する。
 市教委総務部は「幾らで売却できるか見当もつかないが、経費削減の流れの中、費用が収入に変わるなんて夢のよう」と産業廃棄物の有効利用に期待している。



(読売新聞 北海道版 引用)

0 件のコメント: