2007年8月8日水曜日

夏の甲子園:駒苫の香田監督、恩師の我喜屋さんと対面

第89回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)は8日開幕する。49代表校のうち、社会人野球の名将から高校野球へくら替えし、24年ぶりの甲子園出場に導いた監督がいる。大会第1日の同日、第2試合で岡山理大付(岡山)と対戦する興南(沖縄)の我喜屋(がきや)優監督(57)。04、05年の大会で連覇し、昨年は準優勝した駒大苫小牧の香田誉士史監督(36)が師と仰ぐ人物で、北海道での練習方法を伝授した。「師弟対決」には早くても準々決勝まで勝ち進まなければいけないが、両監督は「大舞台で対戦できれば」と期待に胸を膨らませる。
 両監督の出会いは97年。95年に駒大苫小牧の監督に着任したものの、雪国での練習に戸惑っていた九州出身の香田監督が相談を持ちかけたのが、クラブチーム「ヴィガしらおい」の監督を務め、胆振管内白老町に住んでいた我喜屋さんだった。
 我喜屋監督は68年夏の甲子園で、興南の4番打者として、沖縄勢初の夏4強入り。さらに社会人野球の大昭和製紙北海道の選手として都市対抗で優勝を経験し、監督としても活躍。その経験から、チームの強化について「雪を丸めて投げれば肩を鍛えられる」「雪で倒れても痛くないからスライディングの練習にもってこい」とアドバイス。駒大苫小牧はこれを雪上ノックなどに応用し、甲子園常連校に成長した。
 昨夏の甲子園。我喜屋監督は、駒大苫小牧と早稲田実業の決勝再試合をアルプス席で観戦し、「弟子」が育てた選手のたくましさに興奮した。母校から監督就任の要請があったのは、この直後。今年の沖縄大会では次々と強豪を破り、プロ野球・阪神タイガースなどで活躍した仲田幸司投手を擁した83年以来の夏の甲子園出場を果たした。
 「生徒には関係ない。でも、やれたらいいね」(我喜屋監督)、「戦えれば最高」(香田監督)。指導者にとっても熱い夏になりそうだ。


(毎日新聞 北海道版 引用)

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